Silver City - Projections (CD)

ブエノスアイレス出身のFernando PulichinoとJulian Sanzaによるユニット、Silver Cityが、待望のフル・アルバム『Projections』をリリース。このアルバムは、2014年のEP『Loading』に続き、2年の制作期間を経て完成。ラテン・パーカッションを散りばめた南米版ディスコ・ダブのトーンが特徴で、大部分はFernandoのスタジオで制作され、アナログとデジタルのシンセサイザー、リズムマシン、ギター、ベース、パーカッションなどを駆使し、即興的なセッションから興味深いサウンドを発展させながら、妥協のない制作姿勢で進められた。

『Projections』は、大きく2つのスタイルに分かれる。1つは、ドラマティックでパーカッシブかつダビーな『Loading』のスタイルを引き継ぐもので、「Country Boots」や「Ride Away」などがそれにあたる。さらに「Curiosity」や「Shadow」といったトラックでは、エレクトロニックな要素とコズミックな雰囲気が加わり、Silver Cityのサウンドを深化させている。

しかし、『Projections』では新たな影響も見られる。Julianが影響を受けたMoullinexやFlash Atkinsの要素が反映され、ディープなグルーヴとポップなセンスが特徴的な「Do you want」や、スローなテンポの「Projections」にそれが感じられる。また、「I see you」では、アンダーグラウンドディスコのオブスキュアな感覚が際立ち、Fernando自身のヴォーカルが深みのあるフィーリングをもたらす。アルバムの最後は、Is It Balearic?のCoyoteによる「Loading」のバレアリック・リミックスで締めくくられ、Silver Cityの多様な可能性が垣間見える内容となっている。